ページ2

粉雪   自分が何を探したらいいのか、何を求めて
     いるのか、それが見つからないから「まっ
     くろでんき」を捕まえようと思ったんじゃ
     ないかー。それを「手を伸ばしても届かな
     いもの」だなんて酷いよー。幻が幻じゃな
     くなっちゃうなんて!

真智子  ゴメンゴメン、いじわる言うつもりじゃな
     かったの。それにアンタ、私なんかより、
     シッカリもの考えていてよっぽど立派だよ。
     立派、立派!

粉雪   いつもそうだよ。大人は私の事「何を考えて
     いるかわからない」って言うけど「何を考え
     るべきか」が分からなくて、いつもくらくら
     してるのは私たちのほうだよね。

真智子  アリガトウ。

粉雪   えっ?なに?

真智子  あなた見てたら、ちょっとは私も元気出て
     きたわ。

真智子  人にはねぇ、他人にそうやってズケズケと
     詮索されたくない事の1つや2つ、誰にだっ
     てあるものなのよ。
     私が私の「まっくろでんき」を探すように、
     彼には彼の何かがあって、粉雪ちゃんには
     粉雪ちゃんの「まっくろでんき」があるん
     だから、それを探せばいいじゃない。

粉雪   そうよねえ。おねえさん、やっぱりイイ事
     言うよね。伊達に歳くってる訳じゃあない
     よねぇ。

粉雪   とりあえず救急車呼ぶ?それとも警察?
     100番100番・・・。

真智子  警察?!ピポパピポパ(100100)。
     トゥルルルル。

粉雪   ガチャ。はい、ダスキン愛の店です♪

真智子  違うじゃないのよぉぉぉーー!!!

真智子  やっぱダメ!コノ人、息とかしてないもん。

粉雪   どうするのよー、マジでー。人工呼吸とか
     心臓マッサージとか保健体育で習ったんじゃ
     ないの・・・?

真智子  粉雪ちゃん、あんた、パスポートとか持っ
     てる。

粉雪   そんなのどうするのよ?

真智子  国外逃亡とか・・・。